2021年5月7日の引け後、スクロール(8005)の決算が発表されました。その内容が非常に残念なもので、早速PTS株価は大きく下げています。
決算発表の内容
決算短信をご覧ください。特に赤枠で囲んだところをよく見ると・・・
2022年3月期の年間配当予想が、前期(60円/年)から40円減の20円/年となりました。
スクロールは巣ごもり需要を捉え2021年3月期は大きく利益を伸ばした結果、年間配当を2020年3月期の10円から大きく増やして株価が急騰。一時1,500円近くまで値を上げていました。
しかし今期は巣ごもり需要も落ち着き売上・利益とも一段落という事で今回の予想となっています。
配当方針も見てみましょう
今回スクロールからは、決算と同時に「配当方針の変更」と題してもう一つ開示が出ています。それがこちら。特に赤線で引いた部分をご確認ください。
年間配当は20円が下限・連結配当性向は40%となっています。
あれ、何かがおかしい・・・
ここで、もう一度決算発表資料を確認。次期(2022年3月期)の連結業績予想を抜粋しました。
1株あたり純利益は約80円の予想です(青枠部分)。
・・・・という事は、本来の予想配当は「80円×40%」=32円、となりますね。
スクロールとしては先行きが不透明なので一旦下限の配当金額で発表した模様ですが、それなら売上~利益の予想も出せないのでは???と思ってしまいました。
恐らく、株価へのインパクトが小さくなる方法を検討した結果このような発表をしたのでしょうが、現状で言うと逆効果となっているようにも見えます。
直近で利回りを期待して購入した投資家にとっては痛すぎます。
株式データ
※2021年5月7日のPTS株価終値で計算しています。
【株価】
860円
【年間配当予想】
20円
【配当利回り】
2.33%
株主優待の内容
株主優待割引券の進呈。
保有株数 | 株主優待券額 |
---|---|
100株以上 | 500円分 |
1,000株以上 | 2,500円分 |
10,000株以上 | 5,000円分 |
9月権利分については、長期保有で以下の金額分を追加で進呈。
保有株数 | 1年以上 | 2年以上 | 3年以上 |
---|---|---|---|
100株以上 | 500円分 | 1,000円分 | 1,500円分 |
1,000株以上 | 1,000円分 | 2,000円分 | 3,000円分 |
10,000株以上 | 1,500円分 | 3,000円分 | 6,000円分 |
※こちらの券で、自社グループカタログやネットショッピングサイトの商品が割引になります。
【優待権利確定月】
3月、9月の年2回
【配当+優待利回り】
最高で5.23%
※100株を3年以上保有時。
管理人のコメント
既に触れたとおり、もしスクロールの利益が予想通りにいけば32円/年の配当となりますが、これを株価900円と仮定した場合の配当利回りは3.56%。
株主優待と合わせた利回りは4%を余裕で超えるレベル、またPERも10倍強と割高感も無いので、あまり株価が下がるようなら購入しても良いかもしれませんね。
またスクロールの売り上げの柱は生協向けカタログ通販との事。という事は、生協宅配の業績動向もチェックしておくと先回りで売上予測が立つのかも??
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