2024年1月19日の引け後、公営競技のシステム設計や製造、メンテナンスや道路保守管理などを行っている日本エコシステム(9249)から目を疑うほどの株主優待新設発表がありました。
これ、何年続けられるのでしょう?また今後色んな適示開示が出てきそうな予感もしています。
新設される株主優待の内容
200株以上保有で、毎年3月・9月権利でクオカード15,000円分ずつ進呈(年間30,000円分進呈)。

15,000円ずつ??
これ、目を疑いましたが本当です。しかも発表日時点の終値ベースで考えると34万円程の投資で年間3万円とは…優待利回りだけで8.91%ですよ。
こんな豪華な優待、何故出すのでしょう?
【必見】株主優待新設の理由
豪華優待を出す理由は適時開示に書いてありました。
以下はその文章を切り出したものです。

流通株式時価総額及び流通株式比率については基準を充たしておらず、上場維持基準の適合に向けた取組みの検討も進めております。
⇒つまりスタンダード市場に残るための政策を出す必要があるのです。
ここで、実際の上場維持基準に比べて日本エコシステム株の状況がどうか確認してみましょう。

上場維持基準に足りないのは「流通株式時価総額」と「流通株式比率」ですね。
このうち前者の流通株式時価総額は、今回の超豪華優待導入で楽に突破してくるでしょう。
そして今回しっかり認識しておきたいのが「流通株式比率」です。
流通株式比率を上げるには、一般的には自社株の売却・大株主の株式売却・もしくは新株発行などが考えられますね。
このうち日本エコシステムは新株予約権を発行済で、株価上昇によりこの予約権を行使されようとしているのかもしれません。と言うより、行使により流通株式比率を上げる(かつM&A資金調達の)必要があるのでしょう。
新株予約権の行使について
ここで、2023年8月10日に発表された新株予約権発行に関する説明資料の抜粋を貼っておきます。

行使価額2,500円と3,200円の固定で新株予約権を発行しており、この双方が行使完了される事で流通株式比率が25.8%に上昇します。
という事は…大株主が株式売却するなどが無ければ、新株予約権を全て行使(つまり株価3,200円以上に)しないと上場維持できないという事になりますね。
株価3,200円と言うと発表日の株価1,684円の2倍近くにする必要があるので、これだけの優待制度を新設したのでしょう。

全ての新株予約権が行使されたら流通株式比率と流通株式時価総額が達成される。そして目的が達成されたら優待はどうなるのか・・・・あとの予想は皆様にお任せします。
管理人のコメントと株式データ
上記まとめた内容はあくまで私見ですが、いずれにしろ超高利回り銘柄の誕生で株価は大きく反応する事でしょう。
参考までに、発表翌営業日より連日ストップ高となった場合の総合利回りは(配当52円、四捨五入)…
発表後日数 | 株価 | 配当利回り | 優待利回り | 総合利回り |
---|---|---|---|---|
翌営業日 | 2,084円 | 2.50% | 7.20% | 9.69% |
翌々営業日 | 2,584円 | 2.01% | 5.80% | 7.82% |
3営業日後 (値幅4倍) | 4,584円 | 1.13% | 3.27% | 4.41% |

3連続ストップ高になっても総合利回り4%超!!
参考までに、キリの良い株価ごとの利回りも見てみましょう。
発表後日数 | 株価 | 配当利回り | 優待利回り | 総合利回り |
---|---|---|---|---|
参考① | 3,000円 | 1.73% | 5.00% | 6.73% |
参考② | 3,500円 | 1.49% | 4.29% | 5.77% |
参考③ | 4,000円 | 1.30% | 3.75% | 5.05% |
参考④ | 4,500円 | 1.16% | 3.33% | 4.49% |
参考⑤ | 5,000円 | 1.04% | 3.00% | 4.04% |
何と株価5,000円になっても総合利回り4%をキープ!
優待投資家の皆さんは株価何円まで特攻されるのでしょうね。一気に株価4,000円くらいまで上げて、その後権利に向かい時間をかけて株価5,000円(200株で投資額100万円)まで??
これだけの内容なので権利落ちも大きそうですし、板は飛び飛びなのでくれぐれも飛びつく際はお気を付けくださいね。
最後に、上場維持基準の適合に向けた取り組みにこんな記載もあったので念のため貼っておきます。これは実行されるかどうか分かりませんが・・・。

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